ABOUT LABORATORY研究室について

MESSAGEご挨拶

脳は神経細胞=ニューロンという素子をつかって膨大な情報を処理する装置です。ニューロンとニューロンの情報のやりとりにはさまざまな生理活性物質が介在しています。シナプスを介する情報のやりとりと、シナプスを介さないやりとりが存在しますが、その両者ともなんらかの情報伝達物質によって介在されています。
私たちは脳内物質のうち、とくに神経ペプチドに興味をもって研究を進めています。神経ペプチドはさまざまな作用をもっていますが、私たちは新規の神経ペプチドを見出し、その機能を詳細に解明することにより、これまでに知られていなかった新しい脳の機能や作動メカニズムの解明を目指しています。神経ペプチドは進化的に比較的古いシステムであり、摂食行動や睡眠、感情、代謝の制御などに深く関連しています。これらの機能の解明は学問的な価値をもっていることはもちろんですが、さまざまな疾患の解決にも結びつきます。
ぜひ、私たちの研究室の様子をのぞいてみてください。

教授
櫻井 武

BOOK INTRODUCTION書籍紹介

「こころ」はいかにして生まれるのか 最新脳科学で解き明かす「情動」

私たちは、自分の行動は自分が考えて決めていると思っている。己を動かすものは、己の「理性」のみであると信じている。だが、残念ながらそれは錯覚にすぎない。行動は理性よりもはるかに、「喜び」「怒り」「悲しみ」「恐怖」などの「情動」に強く支配されているのだ。情動とは、生き残る確率を高めるために脳にプログラミングされた、下等動物からヒトにまで共通する必須の機能なのである。
ところがヒトは、情動よりもさらに複雑な行動決定のメカニズムを獲得した。それが「こころ」である。ヒトにはなぜ、このように不可思議で厄介なしくみが備わったのだろうか。「こころ」はいかにして生まれ、私たちに何をしているのだろうか。脳神経科学の第一人者が「こころ」の生成プロセスと作動原理を解き明かし、私たちを支配しているものの「正体」に迫る!

睡眠の科学(改訂新版)

人はなぜ眠らなければならないのか? いまだに科学が解明できていない疑問に、覚醒をつかさどる物質「オレキシン」を発見した著者が挑んだ名著『睡眠の科学』の改訂新版。脳は睡眠時に洗浄されてアルツハイマー病を防いでいるという新研究、世界で初めて日本が発売した画期的な不眠症治療薬、寝不足でたまる「睡眠負債」とは何か、どう返せばいいのかなど、この6年余りでの最新の研究成果を大幅加筆!

最新の睡眠科学が証明する 必ず眠れるとっておきの秘訣!

睡眠学会の第一人者が、初めて著す、よく眠れるための必読の書。今までの睡眠法、睡眠本があまり役に立たないのはなぜか、必ず眠れるとっておきの方法をわかりやすくご説明!今までの方法はなぜダメなのか、画期的な必ず眠れる方法をお教えします。そもそも、人はなぜ眠らなければならないのか。そのとき脳では何が起きているのか。眠りにまつわる不思議な生理現象や症例を通して、最新の脳科学の知見から、我々が生きる上で不可欠な“睡眠"の謎を、将来のノーベル賞候補と言われる、睡眠学会の第一人者が解き明かす。

食欲の科学

ときに「魔物」となる食欲の謎に第一人者が迫る! 脳は体重を一定に保つべく、食欲を巧妙にコントロールしている。しかし、ヒトはときに自分の食欲を制御することができなくなってしまう。食欲を「魔物」に変えるのもまた、脳なのだ。脳内で食欲がつくり出されるしくみを脳生理学のトップランナーが解き明かし、「ヒトの食欲」のメカニズムに迫る。

眠りをめぐるミステリー

人はなぜ眠るのか?「夢」とは何であるのか?――まったく眠ることができなくなる遺伝性の不眠病、眠りながら複雑怪奇な行動をする夢遊病、突然眠くなってしまうナルコレプシーなど、眠りにまつわる不思議な生理現象や異常を通して、人類永遠のテーマ「睡眠と脳の謎」に迫る。